サービス及び費用

調停が選ばれる理由

調停手続では、独立性、公正性、評判を兼ね備えた第三者(調停人)が、対立する当事者間の交渉や協議を調整し、紛争を解決に導きます。
調停には、仲裁や訴訟にはないメリットが数多くあります。

1.当事者が、紛争の結果をコントロールできること

訴訟や仲裁では、裁判官や仲裁人が、その決定的な権限を行使して、最終的な結論を下します。その過程で、裁判官や仲裁人は、当事者に対し攻撃防御を促して証拠の提出を求め、その証拠に基づいて事実を認定し、法や規範を適用して結論を導くのです。

一方、調停では、どのように紛争を解決するのか、誰を調停人に選ぶのかを決定する権限は当事者にあります。調停人には、拘束力のある結論を出す権限はありません。ですから、調停では、調停人の調停技能が調停の成否を握ります。法に基づく紛争解決にとどまらず、当事者の感情面を配慮しながら未来志向の解決策を見つけ出せるのかが調停人の腕の見せ所となります。

2.迅速で、費用対効果が優れていること

訴訟や仲裁では、多額の訴訟費用や仲裁費用が必要となることがあり、その総額は事前に予測困難で、高額な弁護士費用や仲裁人報酬が発生することもあります。また、最終判断が下されるまでに、早くて6カ月、訴訟では数年かかることもあります。

一方、調停では、当事者が自分たちの都合に合わせたスケジュールで準備ができます。通常は、事前準備に必要な期間(1~2ヶ月)と丸1日(時に2日に亘る場合もあります)の調停期日で足りるのです。そのため、時間も費用もより予測可能で、かつ最小限に抑えることができます。

3.高い満足度

訴訟や仲裁では、当事者は相手を打ち負かすために攻防を展開し、入念に主張を組み立て、膨大な証拠を整理して提出することに粉骨砕身することになります。この消耗戦に両当事者は疲れ果て、結果がどうであれ、紛争解決に伴う費用、ストレス、不確実性、刺々しさに、多くの場合に不満を持つでしょう。

一方、調停では、当事者が互いに攻撃し合って相手を打ち負かそうとするのではなく、熟練した調停人のサポートによって、相互に効果的なコミュニケーションを図って適切な解決策を探ろうとします。そのため、双方の関係を破壊することは少なく、将来的にも関係が維持できることもあります。

たとえば調停期日に和解が成立せず、調停が一旦終了した場合でも、両当事者は、その後、改善した関係を維持しながら交渉を継続することがよくあります。それは、主要な問題点はすでに議論が尽され、問題解決までの道のりが残り僅かであるため、話し合いを続けることができるからです。

4.秘密保持

訴訟では、ほぼすべての議論や証拠が公記録となり、両当事者間に争いがあるという事実だけでなく、重要な機密情報を守ることは困難です。そのため、両当事者のビジネスや評判に深刻なダメージを与えかねません。

調停では、すべての情報、議論、証拠等は守秘され、当事者は秘密情報が公になるのではと心配する必要はありません(仲裁でも秘密は守られます)。

また、京都国際調停センターで実施される調停は、国際標準の調停であり、守秘義務が厳格に守られ、調停における当事者等の言動、意見等については、後の裁判や仲裁手続での利用が禁止されます。そのため、当事者は、後の裁判や仲裁手続などを意識した言動をする必要がなく、調停人に対し、安心して本音を語り、譲歩できるギリギリのラインを示すことができ、その結果、コンフリクトをやわらげて和解が成立しやすくなります。

京都国際調停センターの施設

調停開催地として、同志社大学今出川キャンパス及び高台寺の施設を提供しています。

調停開催地:同志社大学 今出川キャンパス

京都国際仲裁センターの施設
京都国際仲裁センターの施設
京都国際仲裁センターの施設
京都国際仲裁センターの施設
京都国際仲裁センターの施設
京都国際仲裁センターの施設

調停開催地:高台寺


JIMC−SIMC Joint Protocolについて

京都国際調停センター(JIMC)とシンガポール国際調停センター(SIMC)は、2020年9月、オンラインによる迅速かつ効果的な国際商事紛争解決を可能とするJIMC-SIMC Joint Protocolに関する覚書を締結しました。

JIMC-SIMC Joint Protocolは、オンラインによる迅速かつ効果的な国際商事紛争解決を目指して、国際的な紛争解決センターが国を越えて連携する新しい試みです。

Joint-Protocolに基づく調停手続きの特徴は以下の通りです。
詳細は、こちらのJoint-Protocolの規定をご参照ください。

  • 調停申立てはJIMCやSIMCに対してオンラインで行うことができます。調停手続きもすべてオンラインで行われます。
  • JIMCとSIMCが共同で調停手続きを管理します。
  • 原則として経験豊富な2人の調停人(各センターが1名ずつ選任します)が、国際商事紛争の解決を促進します。たとえば日系企業と外国企業との調停の場合、日本と当該外国のそれぞれの法的および文化的背景に精通した調停人を、JIMCとSIMCのそれぞれの調停人リストから任命することも可能となります。
  • 調停手続きの費用も使いやすいものになっています。

JIMC-SIMC Joint Protocolでの調停費用(調停期日が1日の場合)

紛争価値 (USD) 当事者当たりの費用 (USD)*
1,000,000USD未満5,000USD
1,000,000USD以上5,000,000USD以下紛争価値の0.5%(但し、上限10,000USD)
5,000,000USD超紛争価値の0.2%(但し、上限12,000USD)

*シンガポールでは物品サービス税、日本では消費税が課される場合があります。

*JIMCに支払われる料金は、その時点の日本円/米ドルの為替レートを参照してJIMCが日本円に換算するものとします。

*SIMCに支払われる料金は、その時点のシンガポールドル/米ドルの為替レートを参照してSIMCがシンガポールドルに換算する場合があります。


京都国際調停センターでの調停費用

申込費用

調停申立費用は5万5000円(消費税込)となります。
申込費用は払い戻しできません。

管理費用(同志社大学施設利用料金及び学生のアシスタント料を含みます。調停人費用は含みません。)

各当事者がそれぞれ支払うセンターの管理料金は、以下のとおり。 ※一当事者あたりの金額

係争額が2000万円未満110,000円
係争額が2000万円以上1億円未満165,000円
係争額が1億円以上2億円未満275,000円
係争額が2億円以上10億円未満385,000円
係争額が10億円以上50億円未満495,000円
係争額が50億円以上550,000円

(すべて消費税込)

※管理料金には、同志社大学の施設利用料金と飲料等の代金が含まれます。高台寺などの寺院、会議室、ホテル等、同志社大学以外の施設で調停をする場合には、その施設利用料金が加算されます。詳しくはお問い合わせ下さい。

※調停申立書に紛争の金額が明記されていない場合は、京都国際調停センターが、紛争の価値等すべての事情を考慮した上で、管理料金を決定します。

※当センターは、紛争内容の複雑さ、特殊性等を考慮し、上記記載の料金の他に、追加料金を請求する場合があります。この場合、センターは、管理料金を請求する前に、例外的事情がある旨を当事者に通知します。

調停人に対する報酬・費用

調停人報酬、必要経費、報酬の計算、管理、支払い方法など、調停人費用の支払いについては、すべて、当事者と調停人との間で決定していただきます。センターは調停人に対する支払い等について、一切の責任を負うことができません。